ECサイトを利用するとき、クーポンコード(もしくはプロモーションコード等)の入力欄を見かけた経験はありませんか?
クーポンコードとは、フォーム送信時に特定の文字列を記入し認証することで購入金額を割り引いて利用できるものですが、
このクーポンコードがフォーム完了率に影響を与えている可能性については考えてみたことはおありでしょうか。
本日はクーポンコードとフォーム送信完了率に関する興味深い海外記事を見つけましたので、ご紹介したいと思います。
取り上げるのはretailgeek.comより「The Promo Code field could be costing Sears’ e-commerce $16M a month(=和訳:プロモーションコードの入力欄がシアーズのECサイトに月々1600万ドルの損失を与えていたかもしれない)」という記事です。

多くのクーポンコードが陥っているミス

記事では、購入フォームのよくある失敗のひとつがクーポンコードの入力欄だと指摘します。具体的には、フォーム内に空のクーポンコード入力欄が表示されているのは間違いだと述べています。
一体どういうことなのでしょうか。

Searsの例

筆者は典型例として米国の百貨店「Sears」のECサイト(http://www.sears.com/)を例に挙げます。
※実際にSearsのフォームを確認してみたところ、たしかに2015年8月現在フォーム内にクーポンコードの記入欄が存在することを確認しました。

Searsの購入フォーム
Searsの購入フォーム

このフォームの問題点は以下のように指摘されます。

You can almost hear the user thinking, “oh my gosh, I should have found a promo code before I started shopping. I’m not going to get the same deal that everyone else on this site is getting.” And far too often, the next thing they do is leave your site, head to a search engine, and start looking for a promotion code.
和訳:「買い物を始める前にクーポンコードを見つけなくては!他の人と同じ価格で買い物するのはごめんだ!」というユーザの心の声が聞こえてきそうです。そして彼らは高確率でサイトを離れ、クーポンコードを探し始めるでしょう。

つまり、クーポンコードを見たユーザーは、「もっとお得に手に入れられるのではないか?」という気持ちになってしまい、クーポンコードはテキストの文字列ですから、ウェブ上を検索すればどこかに記載されているのでは、と考えるわけですね。
そして、クーポンを探しに出かけたユーザーは一旦サイトを離れてしまうため、そのまま戻って来ていない可能性が高いといえます。

根拠

筆者はどのくらいの頻度でユーザーがこのクーポンコード探しの旅へ出かけているかを調べる必要があると指摘し、そのための手法を2つ紹介しています。
まずはGoogleのキーワードプランナーで検索ボリュームを調査する方法です。(※キーワードプランナーの利用にはGoogle Adwordsのアカウントが必要です)
たとえばSearsの場合、ユーザーは「Sears promo code」を月間110,000回検索していたとのこと。

http://retailgeek.com/this-field-could-be-costing-sears-e-commerce-site-16m-a-month/より引用。
※2015年8月現在のキーワードプランナーによる調査では月間平均検索ボリュームは14,800件という結果となりました。

実際にはこれらの検索を行ったユーザーがすべて離脱するとは限りませんが、注文1回あたりの平均購入金額を150ドルと仮定して売上損失のリスクを計算すると、なんと1650万ドルにも昇るというから驚きです。
次に、上記の検索を行ったユーザーが実際にどのような検索結果にたどり着くのかを見ていきます。
a href="http://retailgeek.com/this-field-could-be-costing-sears-e-commerce-site-16m-a-month/" target="_blank">http://retailgeek.com/this-field-could-be-costing-sears-e-commerce-site-16m-a-month/より引用。
http://retailgeek.com/this-field-could-be-costing-sears-e-commerce-site-16m-a-month/より引用。

検索するとアフィリエイトサービスなどがヒットするようです。
そこからユーザーはクーポンコードを得て、新しいアフィリエイトリンクからサイトに戻って来れば、利益は減少しますし、競合のクーポンコードを見つけてしまった場合にはサイトに帰ってくることすらないと筆者は指摘します。

解決策

これらクーポンコードを表示することの問題点の解決策として、2つの方法が提案されています。

入力欄を折りたたむ

単純に入力欄を目立たせないようにするという方法です。
たとえばフォーム上にはリンクのみ用意しておき、押下した場合にのみ入力フィールドが展開されるような状態です。
そもそも入力欄を見ることで、クーポンコードを探す衝動に駆られるのですから、単純に見た目のインパクトを抑えることは重要でしょう。

補足を用意する

クーポンコードを得るためのヘルプを表示することも効果的です。
クーポンを得るための方法がわかっていれば、離脱することなく、順当にサイト上でそれを得ることができるためです。
また、自分がクーポンを得るための条件に当てはまらないとわかれば、その場で検討をやめることができるという意味でも効果的かもしれません。

最後に

いかがだったでしょうか。本日はクーポンコード入力欄とフォーム離脱の可能性に関する記事を紹介しました。
記事のなかでは実際の調査結果や改善ケーススタディは登場しませんでしたが、なるほどと思う考え方ではありますよね。
ぜひ、クーポンコードの入力欄に関するABテストを実施してみたいところです。
また、クーポンコードを用意しているECサイトでは、どれほどユーザーをのがしている可能性があるのか、キーワードプランナー等で一度調査してみてはいかがでしょうか。
参考記事
The Promo Code field could be costing Sears’ e-commerce $16M a month – retailgeek.com