本日はNielsen Norman Groupより、「Designing for 5 Types of E-Commerce Shoppers」という記事で紹介されていた、「ECサイトの5種類の顧客」に着目しながら、それぞれ有効なEFOの施策について考えてみたいと思います。
ECサイトのユーザーとひとくちに言っても、訪れるユーザーの目的や動機はさまざまです。
筆者のAmy Schade氏は、ECサイトのユーザーを、そのニーズに応じて以下の5種類のタイプに分類しています。

  • 商品重視派(Product focused)
  • 閲覧者(Browsers)
  • 調査者(Researchers)
  • バーゲンハンター(Bargain hunters)
  • 一度きり顧客(One-time shoppers)

商品重視派

ひとことで言えば、すでに買う商品が決まっているユーザーです。
記事内の説明を引用すると、下記のとおりです。

商品集中型の買い物客は、自分の欲しいものが正確にわかっている。彼らが必要としているのは今、すでに持っているものの後継となるものである。彼らは事前に調査を済ませており、欲しいアイテムはすでに選び出してある。ショールーミングもしてきており、アイテムは実店舗でも調査済みだが、買うのはネットでと思っている。こうした買い物客は目的志向型である。彼らは必要なものがわかっており、それを迅速に得られるサイトを求めている
引用:http://u-site.jp/alertbox/ecommerce-shoppersより

彼らは商品の購入という目的まで一直線なので、サイト滞在時間は非常に短くなります。また、リピート購入する確率も高いでしょう。
ここでは、商品を探し、選び、決済するという一連のフローをいかにスムーズに(ストレス無く)するかということが重要です。

EFOで気をつけたいポイントは

このユーザーが重視するのはスピーディーに、滞り無く決済が完了することです。
フォームでいうならな、下記のような状態であることが望ましいと考えます。
ページスピード
このユーザーの目的はあくまで商品であり、どのサイトを経由して購入しても同じです。わざわざ読み込みがもたつくフォームで買おうと思うユーザーはいないでしょう。
ストレスの無いページフローを提供することが、利用につながります。
アップセル施策はほどほどに
関連商品のアピールなど、売上を拡大するための施策はあまり意味をもたないどころか、ユーザーの購買を邪魔する可能性があります。
アップセルのための施策はごく控えめに実施するか、該当商品の購入のみに絞ったシンプルな構成にすることが望ましいでしょう。
再注文フローの最適化
例えば生活用品・消耗品のように、毎回決まった商品を定期的に買うというユーザーの場合、購入履歴などを用意しておくことで迅速に購買フローへ移ることが可能となります。
また、ログインするだけで、ほぼワンクリックで購入が完了するような手軽さも非常に有効と考えられます。

amazonはログインしていれば、保存した情報を呼び出しワンクリックで確認画面へ遷移できる
amazonはログインしていれば、保存した情報を呼び出しワンクリックで確認画面へ遷移できる

閲覧者

閲覧者は、いわゆる「ウィンドウショッピング」をしているユーザーです。
滞在時間が長く、何度も訪問することが特徴ですが、購入までは至らないケースも多く、ただ眺めているという印象です。

閲覧者とはのんびりした買い物客で、自分の好きなサイトや新しいサイトに刺激を求めて、あるいは暇つぶしに行く人のことである。ネット閲覧好きの買い物客は最新のトレンドをおさえて、将来、それを買うことを夢見たり、Webルーミング、つまり実際の店を訪れる前にオンラインで見ておいて、次の買い物の準備をしたりしている。
(中略)
定期的にサイトに来ている買い物客は先週見たのと同じ情報を見たりはしない。見るのは前とは違う部分だ。彼らが興味があるのは最新のアイテム、最新のお買い得情報、他の人が何を買っているかである。
引用:http://u-site.jp/alertbox/ecommerce-shoppersより

何度もサイトを訪れるユーザーにとっては、何か売れているか、新しい商品の入荷など、サイト内の変化が感じられるようになっていることが重要です。

彼らがあなた方のサイトで自分の好きなアイテムを探したり、最新の商品を見る際のエクスペリエンスが常に素晴らしければ、買う準備が整ったときには、あなた方のサイト、つまりあなた方の店のことを思い出してくれる可能性は高いだろう
引用:http://u-site.jp/alertbox/ecommerce-shoppersより

とも述べられています。いざ購入のきっかけができときに思い出してもらえるよう、使いやすいサイト設計が重要な役割を果たすでしょう。
さらには、気に入った商品の情報を共有するような仕組みとも相性が良いとされています。

ZOZOTOWNでは商品ページにソーシャルボタンを設置。欲しい商品をシェアするなどのコミュニケーションが可能。
ZOZOTOWNでは商品ページにソーシャルボタンを設置。欲しい商品をシェアするなどのコミュニケーションが可能。

EFOで気をつけたいポイントは

最新情報を配信するニュースレター
最新の入荷情報や人気の商品、おすすめアイテムなどを伝えるニュースレターが、このようなユーザーのサイト訪問の助けになるはずですし、ニーズも大きいと考えられます。
ニュースレターだけをかんたんに登録できるような仕組みや、魅力的なオファーを用意すると良いでしょう。
関連商品のオファー
購入に至った場合、関連商品や人気商品をさらにアピールすることで、さらにサイトの回遊を促せます。
SNSアカウントの活用
さらにネット閲覧好きのユーザーはSNSとの相性も良いため、ソーシャルログイン機能等を用いるのも有効です。
具体的には、facebookかTwitterなどの認証でメンバー登録が実施でき、簡単にニュースレターを受け取ることができる仕組みなどに活かすと良いのではないでしょうか。
また、購入した商品をSNSでシェアできる仕組みも用意しておくと良いでしょう。

Amazonでは購入後に該当商品をシェアする導線を用意している
Amazonでは購入後に該当商品をシェアする導線を用意している

調査者

調査者は、商品に関する情報収集を行っているユーザーです。

リサーチャーは、商品集中型の客と同様に目的志向である。彼らは購入までを予定しているが、その購入は今日の可能性もあれば、明日や来週、あるいは6か月後のこともありうる。彼らは商品や価格について常に情報を収集しており、調査段階のどこかにいるだろう。
引用:http://u-site.jp/alertbox/ecommerce-shoppersより

これらのユーザーは、商品に関する細かな情報や口コミなどの評判を重視し、さらに色々なサイトを見て比較している可能性が高くなります。
商品の情報、価格やスペック、写真などを豊富に保有していることが調査ユーザーに対する強みになるでしょう。

EFOで気をつけたいポイントは

サイトの安心感
複数のサイトを検討している状況で、わざわざ怪しいサイトで購入しようと考えるユーザーは少ないでしょう。
サイトや通信の安全性をアピールしておくことで、ユーザーの信頼感を得ることができ、滞ること無く決済を完了することができます。

セキュリティを配慮する文言
セキュリティを配慮する文言

カートの変更しやすく
サイト内の複数の商品を検討している場合は、ショッピングカートをウォッチリスト代わりに利用するユーザーが多数だと思います。
これらのユーザーが購入を決めた際にスムーズに決済に移行できるよう、カートからの商品削除機能を必ず設けるようにしておきたいですね。
Appleフォーム - カート
比較しやすく、ウォッチリストなどの用意
少しEFOとはずれまずが、ショッピングカートとは別に、あらかじめ検討に便利なウォッチリスト機能をサイトに用意しておくと、比較したいユーザーにとっては有用性のあるサイトとなる可能性があります。
もちろん、一度保存した商品は次回訪問時にも保存しておくようにしたいですね。

バーゲンハンター

バーゲンハンターはその名のとおりです。

バーゲンハンターが探し求めているのは、可能な限りの一番お買い得な商品である。他のタイプの買い物客もバーゲンハンティングという行動に影響されることはある。買い物客の中には単にお買い得な物を探しており、お買い得な物が手に入ると思えば買う気になる人もいるからだ
引用:http://u-site.jp/alertbox/ecommerce-shoppersより

バーゲン、と聞くと血が騒ぐ人がいるように、「お買い得」に弱いのが買い物客の性。
いかにお得かをアピールすることでユーザーの購買意欲を刺激することが大切です。

EFOで気をつけたいポイントは

割引額を明示する
フォームに進んでもなお、どれくらいお得かを実感するために、割引前の価格、割引額などを強調して表示しておくと良いでしょう。
セール情報のニュースレター訴求
バーゲンとニュースレターは非常に相性が良いため、さらにお得な情報が手に入ることをオファーで訴求し、登録につなげましょう
送料がボトルネックにならないよう
どれだけ割引がお得でも、フォームの最終段階で高い配送料に興ざめしてしまうユーザーも多いでしょう。
送料は早い段階で表示しておく、または合計金額次第で無料にするなどの施策を行い、それをフォーム内で訴求しておくことでアップセルにもつながります。

ワンタイム購入者

ワンタイム購入者は、クーポンなどの利用で、あくまで1度きりの利用が前提で、リピートするつもりのないユーザーです。

1回限りの買い物客は、商品集中型の可能性もあれば、ネット閲覧好き、バーゲンハンター、あるいはリサーチャーの可能性もある。彼らはギフトカードをもらったり、買ったりした人、あるいは贈り物を買おうとしている人であることが多い。
(中略)
初めての買い物が終わった後、そのサイトを訪問するつもりはない。つまり、彼らは1回限りのために訪問をしているのである。
引用:http://u-site.jp/alertbox/ecommerce-shoppersより

EFOで気をつけたいポイントは

ナビゲーションは、わかりやすく
ワンタイム購入者は、必然的にそれがはじめて使うフォームとなります。
はじめてでも迷うこと無いわかりやすいラベル、説明、フローなどの存在が不可欠です。
会員登録なしで購入完了できるように
一度きりのユーザーには会員登録は面倒な存在以外の何者でもありません。
フォームに会員登録とログインのステップを挟む場合は、必ずオプションとして用意するようにしましょう。

一休.comの予約フォームでは、会員にならなくても予約できる導線が明確に用意されている
一休.comの予約フォームでは、会員にならなくても予約できる導線が明確に用意されている

まとめ

いかがだったでしょうか。
本日は海外記事を参考に、ECサイトのユーザーの特性ごとに気をつけたいフォームの改善ポイントをお伝えしました。
今回は簡単な紹介となりましたが、このようにサイトのユーザーのニーズや行動パターンをペルソナのような形で定義することが、サイト改善の大きな指針となると思います。
ぜひご担当のサイトのユーザーについても検討してみてはいかがでしょうか。
※参考サイト
Designing for Different Types of E-Commerce Shoppers
5種類の買い物客のためのECサイトのデザイン – U-Site