従来のCAPTCHA(キャプチャ、画像認証)は、読みにくく加工した文字列の画像を表示し、その内容をタイピングさせるなどで、フォームを入力しているのが人間かどうかを判別する技術です。
これらCAPTCHAはスパム対策には一定の効果を発揮しているようですが、ユーザーにとっても使いやすいものとはいえず、フォームの完了率に与える影響が心配されます。
今回は海外記事から実際に実施されたCAPTCHAの検証事例をご紹介しながら、従来のCAPTCHAがフォームの送信完了率に与える悪影響について考えてみます。

改善事例1:映像作成サービス会員登録フォームの例

まず最初に紹介する事例は、Animotoという米国発の映像作成WEBアプリケーションサービスで、2009年四半期に実施された調査結果です。

animoto.com
animoto.com

このサービスの会員登録フォームでは、元々従来のCAPTCHA(reCAPTCHA)を搭載していましたが、
従来のCAPTCHAをフォームから削除し、CAPTCHAを用いないスパム対策に代替したうえで、フォーム完了率の変化について検証を実施したようです。
その結果をグラフにしてみたものがこちらです。
33.3%の改善効果
33.3%の改善効果

従来のCAPTCHAありのフォームでのコンバーション率は48%。
CAPTCHAを除去するとこれが64%に上昇したようです。
つまりCAPTCHAを除去することで33.3%の成績改善が見られたとのことです。

代替手段について

ちなみに、改善後従来のCAPTCHAの代替として用いたのは「ハニーフィールド」(=CSSで隠すことで、人間には見えないフォーム項目を持つ方法)と「タイムスタンプによるスパム解析」(=一定の入力時間を持たない送信をスパムとみなす方法)とのこと。
これらの手法でも、充分にスパムに対する効果を発揮していたとのことです。

改善事例2: 50以上のサイトの統計情報

2つ目の事例は、同じ入力項目を持つ50種類以上のサイトで実施されたというテスト結果です。
従来のCAPTCHAのあり/なしの場合それぞれについて3ヶ月間データを計測してまとめた結果が下記のとおりです。
3種類のデータはそれぞれ、ユーザーによるフォーム送信数(入力成功数)、スバムによる送信数(スパムによる送信)、送信しようとしたもののCAPTCHA欄でつまづきエラーとなった後、最終的に送信が成功しなかった数(送信失敗)を示しているようです。

CAPTCHAなしの場合

引用元:http://moz.com/blog/captchas-affect-on-conversion-rates
引用元:http://moz.com/blog/captchas-affect-on-conversion-rates
  • 入力成功数 2134
  • スパムによる送信 91(4.1%)
  • 送信失敗 0

※スパム送信は、全体に対して4.1%存在していました。

CAPTCHAありの場合

引用元:http://moz.com/blog/captchas-affect-on-conversion-rates
引用元:http://moz.com/blog/captchas-affect-on-conversion-rates
  • 総数
  • 入力成功 2156
  • スパムによる送信 11(0.5%) ※88%の減少
  • 送信失敗 159

159の送信失敗数の内訳は、スパムと送信をあきらめたユーザー双方が含まれていると考えられます。
スパムと送信失敗を合算すると全体の 7.3%
CAPTCHAなしではスパムが4.1%
という2点から単純計算すると、送信失敗ユーザーは3.2%程度と考えられます。
つまり、CAPTCHAを設置することで3.2%のユーザーを逃してしまっているということになります。

逆に、CAPTCHAが与えるメリットとは?

従来のCAPTCHA使用によるデメリットが上記の2例からおわかりいただけたと思いますが、従来のCAPTCHAにももちろん利点は存在します。
まず事例2からもわかるように、スパム送信の減少にはある程度の効果を発揮していることがわかりますし、
投稿の手間を増えることを逆手に取って、送信のハードルをあげることができるという点があります。
例えばブログのコメントフォームなどでは、従来のCAPTCHAを設けることで安易な投稿を減らることにつながるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
本日は従来のCAPTCHAがフォーム完了率に与える悪影響について、事例を2つ紹介させていただきました。
なおここまで「従来の」CAPTCHAという書き方をしました。というのも、ここ最近は新しい形のCAPTCHAや代替スパム対策の開発が進んでいるようです。
それはまた別の機会にまとめて紹介したいと思いますが、これからは従来型のCAPTCHAを見なおしていく流れになることは間違いなさそうです。
一方でコメントフォームの例などにように、CAPTCHAが有効に働くケースというのも少なからず存在するとは思います。
CAPTCHAをご担当のフォームで採用している方は、CAPTCHAの有無による検証や、代替方法の検討について、実施してみてはいかがでしょうか。
※参考記事
F**K CAPTCHA | 90 Percent Of Everything
CAPTCHAs’ Effect on Conversion Rates – Moz